都立高校入試英語で点数を取るには(その2)…丁寧に日本語訳してはいけない。
日記
2022-09-06 16:17:38(創研塾のブログより)
都立高校入試の英語では、相当な量の英文を読まなければ得点できないことを先日書きました。では、それに向けてどのようなトレーニングをしていけば良いのでしょうか。
英語の長文を読む際に、私が生徒たちへ繰り返し伝えているのは、「丁寧に日本語に訳してはいけない。」と言うことです。「訳さない方が良い。」ではなく、「丁寧に訳してはいけない。」と言い続けています。理由は、英語と日本語では語順が異なるからです。丁寧に日本語に訳そうとすれば、いったん英文を最後まで読み、その上で日本語の語順に直して訳さなければなりません。これではあっという間に試験時間が終了してしまうのです。試験時間については、50分が与えられています。しかし、この50分の中におよそ10分間のリスニングの時間が含まれています。そうすると正味40分間で英語の長文を読み、解答しなければなりません。さらに英作文問題が毎年出題されますから、長文を読むために与えられた時間は本当に限られたものとなってくるのです。
参考:令和4年度都立高等学校入学者選抜 学力検査問題(英語)
東京都教育委員会のWEBサイトより
丁寧に日本語に訳さないのであれば、どのように長文を読めばよいかと言うと、第一段階としてスラッシュリーディングを実践させています。スラッシュリーディングとは、意味の切れ目で英文にスラッシュ「/」を入れ、スラッシュで区切られた部分ごとに訳していく英文読解法です。
例えば
I bought an English book at the store yesterday.
(私は昨日その店で英語の本を買いました。)
これを見てもらえば、日本語に訳す際には、最後まで読んで日本語の語順に合わせなければならないと書いた意味が分かってもらえると思います。
これをスラッシュリーディングをすると
I bought / an English book / at the store / yesterday.
(私は買った/英語の本を/その店で/昨日)
となります。自分以外の人に伝える場合にはこれでは不親切ですが、自分だけが長文を読み進めるためには、これで十分意味が分かるのではないでしょうか。
この方法で英語の長文を読む習慣をつけると、丁寧に訳した場合に比べてかなり時間の短縮ができるようになります。もちろんいきなりできるようになるわけではありませんから、トレーニングは必要です。
以前、「先生、長文問題は下線部の前後だけ読めば解けるのではないのですか?」と私に質問してきた生徒がいました。どこでそのような読み方を聞いたのか分かりませんが、これでは英文全体を把握することができませんし、正答率は一向に上がりません。前回の繰り返しになりますが、都立高校入試の英語は、国語の長文問題と同じように文章全体の内容をつかまなければ解けないからです。
長文を速く読むためのトレーニングにはまだ続きがあります。また機会を見てこのブログに書きたいと思います。