都立高校入試英語で点数を取るには(その3)

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私が通っていた高校は、全生徒の3分の1が海外の現地学校出身者、3分の1が海外の日本人学校出身者、そして残りの3分の1が私のように国内の中学校出身者でした。私のように国内の中学校出身者として入学した生徒のうちにも、海外に住んではいたものの規定の年数に到達しなかったり、帰国してから長かったりしたために外国の学校出身者枠に入れなかった生徒もいました。ですから私のように国内の中学校出身者は完全に少数派でした。

入学式では外国人の先生が挨拶を英語で行い、私は後で日本語に訳してくれるのだろうと思っていたところそのまま入学式が進行してしまって驚きました。上級生が歌ってくれた校歌は歌詞がすべて英語でした。写真撮影に向かうときの周囲の生徒同士の会話も英語で行われているなど、初めは完全に気後れしてしまいました。入学後しばらくして通常授業が始まり、休み時間に前に座っている同級生に「次の授業って宿題出ていたっけ?」と尋ねたところ「ごめんなさい、もう少しゆっくり話してくれる?まだ日本語に慣れていなくて。英語ならわかるんだけど。」と言われてまた驚きました。廊下でも英語があちこちで飛び交う、そんな環境でした。

だんだんと友達ができ、英語の方が得意な友達も増えていきました。少しでも会話の内容を理解したいと思いましたし、英語で話したいと思いました。英語の練習をしたいと思い、英文と日本文が対照できるものを探しましたが、当時はまだインターネットは普及しておらず、そのようなものはなかなか見つかりませんでした。

いつも英文と日本文が対照できるものを探していてようやく見つけられたのが二つです。一つは英語の歌の歌詞カードです。かなり意訳はされているものの発音と何を言っているのかをすぐに知ることができました。当時学校ではヘビメタが流行していたので、かなり早口でしたし独特な言い回しも多かったと思うのですが、楽しみながら英語に触れることができました。もう一つは聖書です。私はクリスチャンではありませんが、学校がキリスト教系の学校でしたので入学式で新約聖書を渡されました。聖書も英語と日本語が対照できるように作られていたので、意味が分からないことがたくさんありつつも家で暇なときには聖書を読んでいました。そんなことを続けていたある日、夢を見ました。夢の中で私は英語で話していました。朝目覚めたとき、そのような夢を見ることができたことが嬉しかったのを今でも覚えています。

さて、前置きがとても長くなりました。高校入試において英語の長文を短時間で読めるようにしておくことは絶対に必要なことです。そのための練習としてたくさんの英文に触れることはとても重要なのはこのところ何回か書きました。私の高校時代と違って、今はインターネットで検索すればそれこそ膨大な量の英文が出てきます。日本語訳を見つけるのも難しくないでしょう。たくさんの英文を手軽に手に入れられるのは良いのですが、自分のペースを上げていくにはさらに工夫が必要です。

英語の教科書や塾で渡すテキストには各ページにQRコードが付いています。スマートフォンやタブレットで読み込むと英語の音声をいつ・どこででも聞くことができます。さらにアプリの設定次第では音声の読み上げ速度を変えて聞くこともできます。都立自校作成校や私立の大学付属などの難関校を目指す生徒には、英文を指や目でたどりながら音声読み上げを通常よりも速度をあげて聞くように指示を出しています。この音声読み上げがサポートになり、ペースメーカーの役割を果たすことになり、自分のペースよりも速いスピードで読み進めるトレーニングになるのです。気を抜くと音声読み上げに置いて行かれてしまうからです。

先日、生徒たちに最近英文を読む速度が上がってきているか確認しました。まだ実感としては薄いようですが、私が授業中に生徒たちの様子を見ていると確実に速度は上がってきています。ただ、問題レベルも上がってきているので今度は答えるのに時間がかかっているようです。こちらの対策も今後していかなければなりません。また工夫してみようと思います。

今日も振替で学校が休みの生徒たちが朝から塾に来て試験勉強に取り組んでいます。彼らの努力が結果に結びつくよう、私も効果の出る方法を色々と模索しています。